面倒なクレカの複式簿記の仕分け
クレカの仕分けは割り切って
フリーランスになって張り切って「青色申告」のための帳簿作成に複式簿記を覚えても、クレジットカードの仕分けに悩む人は少なくありません。多くは月末締めの翌月払いなど、取引日と実際の支払日とが異なるのが通常であり、月を跨ぐだけに厄介なこともあるのです。
発生主義を貫くと面倒な複式簿記
もちろん何でも現金払いであれば、複式簿記であっても何ら複雑な点はありません。物と引き換えに、現金をその場で支払っているためです。しかし、便利とはいえクレジットカードを常日頃使って必要経費に計上するような物を買っていると、物を受け取った日にはお金を支払わないので、その取引日には未払い金を同額で計上しておき、実際に引き落とされた日にこの未払い金を普通預金から支払ったことになるのです。これはつまり、1回の取引について必ず2回記帳を行うということになり、クレジットカードの利用が多い人は、記帳に2倍の作業をし続けなければならないというわけです。
支払日を取引日にする
ではこのような厳密な複式簿記で必ず記帳しなければ、「青色申告」として特別控除65万円の優遇措置を受けられないのか、といえば現実にはそうでもなさそうです。もちろん税務関係の書類作成は複雑で、細かな部分については専門家である税理士によっても税務署の担当官によっても、判断が分かれることが少なくありません。しかし、クレジットカード払いの仕分けについて、引落日を取引日のように記帳することも認められているようです。つまり実際の取引日には関係なく、引落日に引落されたすべての取引について普通預金から支払ったものとして、まとめて記帳してしまうのです。こうすれば1回の取引につき1回の記帳で済みますので、発生主義と手間は変わらないということになります。クレジットカード払いとはいえ日付で迷うことが無くなり、カード会社から届く明細を元に、月に1回記帳作業を続ければ良いのです。もっとも年度末には、月を跨ぐと年度を跨いでしまうため、さすがにここでは未払い金で処理する必要があります。
特別控除額と手間とを天秤に
個人事業主であれば、多くは個人の収入と事業収入との線引きがあいまいで、ともすればどんぶり勘定になりがちです。特にクレジットカードも事業用と個人用との区別がなく、どの取引が事業用でどの取引が個人用なのか、あいまいに使っていると普通預金の数字を合わせるために、事業主貸などという記載が出てきて面倒です。最近は交通費などもクレジット決済が普通になって増々頭を悩ませることになりますが、そうなると「青色申告」とはいえ必死に65万円の特別控除を確保するのか、それとも簡単な記帳で10万円の特別控除に満足するのか、というのは微妙な判断になるでしょう。
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